日記3　続リュックの中身　Yoshifusa Seki Photo Gallery


3.　続　リュックの中身

登山でも同じ事だが、いざ担ぐとなると一寸でも軽くしたい

此は誰もが思うことではないだろうか・・・

ギリシャのアテネからミコノスに渡ろうとフェリーのチケットを購入の為地元の

ツーリストに入った時のことだった、妙に人なつっこい一見“ん”？・・・

アジア人？　とおぼしき人物がにっこりと笑っているではないか

何だ〜この人は・・・いきなりエジプトに行きましょう・・・と

ぼくが福井県人と知るや、ミコノスなんて東尋坊の方が良いよ、だからエジプトに

一寸理屈と違うな〜なんて思っていたが・・

運がいいのか悪いのか、ミコノスは船も一杯で宿もないよと言われ

ぼくも思わず彼と同じチケットを下さいと言ってしまったのだった

彼とは空港で落ち合う約束をして一旦別れた

だが此処で問題発生、イタリアのベニスから陸路を旧オリエント急行でギリシャ

入りした僕の時計はイタリア時間のまま、1時間戻すことを忘れていたのだ

のんびりと空港に夜着いたのだが、その長蛇の列に吃驚・・・

先に並んでいた彼はもう来ないのかと思ったよ〜〜なんて、そこで時間のずれに

気付いたのだった、でも其処はアラブの飛行機、なんと出発が2時間も遅れている

しかも予定の飛行機は満席で臨時便がでるというのだ

原因は直ぐに解ったエジプトに飛ぶエジプシャン達はたった一人のご主人様に

奥さんが4人それぞれの子供達を入れるとまるで・・・・ん？一体何人・？

しかも、決して荷物を預けようとせず大きな物を機内に持ち込むのだ

我先に入り口に殺到するので、しきりの衝立も有った物ではない状態

唖然としたまま「臨時便とはいえ自分の席は有る、ゆっくり行けば良いだろう」

などと軽く考えていたのが大間違い、機内に入って又また吃驚・・・

僕の席は既に埋まっている・・・一体どこに・・

機上係りはチケットを見ながらどこでも良いよなどとまるで当たり前のように

言うではないか、此がアラブの常識なのか・・と・・

機内で入国審査の書類を書いているといきなり隣のおっさん、僕の書いた

日本語を取り上げて黙ったままじっーとまるで不思議な物を見るように・・

しかも“おいおい！天地が逆だよ〜・・”返してくれる様子もなくそれを

隣に回してしまったではないか・・・

（此処で断っておくが決してエジプシャンを悪く言っているのではない

彼らは彼らなりに「エジプト人は親切だ」と何回聞かされたことか）

様子を見ていると彼らの書類はどうも代表者が一人みんなの分まで書くようだ

理由は至って簡単・・・20年も前の状況をご推察下さい

（ちなみに日本人の識字率は世界でもトップクラスとか・・・）

こんな状況の中深夜にカイロの空港に降り立ったのだ・・だが此処でもまた

色々な問題が待ちかまえていたのだ、どうしてもすんなりと入国をさせてくれない

すったもんだの挙げ句やっと解放されたが町中に入る為の足の確保

これまた難儀を要したのであった

バスはないよ、だから俺に任せておけなんて言うのが次からつぎへと

＝＝＝さてリュックの中身だが＝＝＝

この時一緒した彼とお互いに重いリュックの中身の話になった

おもむろに開けた彼のリュック

何と一番上にあった物は身だしなみを整えるはずのヘアーブラシ・・ウムム・・

一体誰が使うのだ〜〜当のご本人は御髪（おぐし）が薄いではないか

かくいう自分も薄いのだが其処までではない、が・・・

ご多分に漏れず同じような物を持っている（苦笑）

と言うことは少しでも軽くと言いながら余の男性諸子は長〜い友達（髪）と

何時までも関わりを持っていたいのだな〜と痛感した物であった（笑）・・・

最近の必需品と言えば仕事関係以外の物で持っていくべき物のリストのトップに

爪切りと目薬（点眼薬）を入れている、結構暇つぶしには良いようだ

さてエジプトの宿だが完全に廃墟と化したビルの上階200円位、鍵も針金を

引っかけるだけ、ベットも金網・・流石に翌日引っ越し

だがパスポートを返してくれない、時間を掛け交渉の末やっと・・・

次のホテルは一応2つ星お値段も当時で￥600くらい・・

赤絨毯の上にもあちこちにうんちの落とし物が・・いや置き忘れなのか・・

当然の事ながら水洗便所なる物は吹き上げ便所状態で流そうものなら

もう大変、慌てて後ろにバックすることになる、便座もないよ・・さて？

此では廊下の絨毯もトイレの代用をするわけだ、フロントに苦言を呈すれば

此処は日本とは違う、水はそんなに無いよ〜〜だって

チェックインに約束した金額がこれまたいい加減、ドアをノックするので

何かと聞いたら違う人が来て部屋代を払え・・しかも高いではないか

後で払うと言ってチェックイン時にいた人を見つけさっさと払いレシートを貰った

当然ながら後でと言ったのでまた来た、払ったレシートを見せたら捨てぜりふ・・

朝食時にも折角の、それもたった一杯のコーヒー

うっかりのボーイが僕の分をテーブルの上にこぼしてしまった

「オーノープロブレム！」それっきりお代わりも来ないしそのまま・・

お前にはノープロブレム！でもこっちには大いに問題有りだろう〜〜〜

町を歩けば「俺には女房が4人いる一人交換してくれないか？」

などと声をかけられるしまつ、こんな旅でもいざ出国・・

リコンファームも完全にやっているのにお前の飛行機は無いよ〜〜だって

某国の大使館員も数人「此で何日も足止めなんですよ〜」なんて言っている始末

可成りの文句を並べ立てエジプトからイタリア、その後の飛行機キャンセル料を

請求したら「じゃあ一便早いのを・・・」所が早いはずが6時間後の出発だった

当然の事ながら此処での食事は安い物だった

丼一杯のご飯？が当時7ピアストル日本円で約21円だった

（2000年12月現在1エジプト･ポンド≒33円100ピアストル＝1エジプト･ポンド）

道ばたにオート三輪が砂埃を上げながら走ってきて荷台に積んである

食べ物をドンブリごとすくってくれる、勿論手で食べることになる

僕がそれを食べようとすると近所の子供がなめているスプーンを貸してくれようと

見ていた大人が失礼なことをするな、と言い自分の食べていたスプーンを

持っていたコップの飲み物でからからと濯いだ途端、僕のドンブリにそのスプーンは

突き刺さっていた・・あぁ〜〜〜っ！　　時々ジャリっと砂を噛む音が・・・

今だから言えるが上っ面だけをすくう様に食べたことは言うまでもない

兎に角毎日下痢の連続であった・・・・苦痛・・

ちなみにエジプトでは猫が居ない店は不味いとか・・・猫が何匹も居たらOKだよ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　エジプトの旅後始末記

　　　　　　　　　　　　　　　　****　以下続く　****　2003・12・28　記