旅日記7　ドイツパンとブルーチーズ　Yoshifusa Seki Photo Gallery


7.　ドイツパンとブルーチーズ

はじめてドイツを旅した時のことだった、今でも忘れはしない・・・

ツインマー Zimmer (一般家庭に泊まる）での朝食だった、テーブル狭しとばかりに
沢山のパン、チーズ、ハム、ヨーグルトが並ぶ、丸ごとのパンを自分で切って

好みのアレンジで食べるのだが、此処で問題発生・・・

パンの上にバター、ジャムを塗りハム、チーズを挟んで口に入れたのは良かったのだが

そのにおいと固さ、我慢して飲み込んだ物の二口目を口に入れる勇気はなかった

「ん！腐ってる・？それにこの白く粉をふいているのはカビ・？歯が欠けそうだ・・」

仕方なくパンは置いてチーズ、ハムを食べていた、もしかしたら、と思って

前の席のアメリカ人を観察していた、彼も同じようにサンドイッチ状に・・・

一口入れた途端吐き出し、やおらパンの上に乗った一切の物をナイフで皿に落とし

パン以外の物を食べ始めたのだった、矢っ張り～～

6.pan.jpg
6.pan1.jpg

ライ麦80％、酸味が強くて、中はケーキみたいに柔らかいのに周りは歯が立たないほど

固く、それも焼きたてほど顕著である、種類が多くあった時は（本当は頼りなく腹持ちも

悪いのだが）通称“カイザーパン”（写真左上）と呼ばれている物ばっかり食べていた

信じられないだろうがヨーロッパの人達は此を上下二枚にナイフで切ってバター

（小さな包み一個）とマーマレードなどのジャム一個を丸ごと塗って食べている

とてもじゃあ無いがこの量では若い頃のスリムなスタイルを往年まで保つことは

無理のようで・・・其処に加えてコーヒーに入れる砂糖の量も半端じゃあない

食後の甘いデザートをぺろりと、更にこれにビールが加わり・・・量の多いこと

良きお年を重ねた中高年（男女を問わず）の体格の良さ ？ が納得できるかも・・・

　　　*************************************

話は最初に戻ってZimmerのことを少しばかり・・・

ドイツを旅していて宿に困ることな先ず無いだろう、どんなへんぴな田舎に行っても

日本人が満足できるような清潔な部屋があるのだ、そして気持ちの良いサービスが

用意されている、わざわざ予約などしていなくても着いたその日に飛び込めば良い

気に要らなければ隣のZimmerに入ればいい、問題は全くないのだ

可成り大きなホテルでもZimmerの看板が掛かっているのでフロントを訪ねればいい

中には昔ながらの街道沿いに、下はレストラン上の階がホテルなどという

“ガストホフ”もあるので、泊まるにも食べるにも全く困ることはないだろう

中世の貴族気分の中で暮らす・・・

ドイツには中世からのお城や、宮殿が何千と有って大事に保存されている、その中の

約60％が古城ホテルとして旅人に扉を開いている、王侯貴族が暮らした豪華な中で・・

問題は町中には無く大抵が湖の畔とか丘の上、森の中とか・・・とにかく環境は抜群だ

浮き世を離れてこの時とばかりに中世貴族の気分に浸ってみては如何かな・・・！

　　　*************************************

ドイツパンだが今ではすっかりその虜になってしまった、好んで色の黒ぽい物を

選ぶようにしている、独特の酸味と、いかにも～という内容の充実した重みが・・・
　　　　　　（写真の通り体によさそう・・・笑い）

最近ではドイツの若者の間でも柔らかくて白い方が好まれているようだが ハテ・？
　　　　　　（そんなことはないと思うのだがマクドナルドの進出の影響・・？）

そんな本格的ドイツパンを好む僕の姿を見て彼らは「お前は通だな～」などと

青かびチーズ＝ブルーチーズ

世に言うところの三大ブルーチーズ、此が又くせ者なのだ

6.ti-zu.jpgゴルゴンゾーラGorgonzola（イタリア）

ロックフォールRoquefort（フランス）スチルトンStilton （イギリス）

最初此を口にした時は「此は日本には絶対に無い味だ」と直感した

臭い・・・などという類のものではない、あまりにも強烈すぎる、今まで経験したことの

ない臭いが鼻にツーンと抜け、通過した食道、胃袋が熱くなる、胸がむかむかと焼ける

ように、ワインと一緒に取ろうものなら倍の量を飲んだように酔ったような感覚がある
　　　　　　　　　（一度に沢山食べないで・・・量は程々に・・・・）

人間、慣れとは怖いもの、これまた味の虜というのか、すっかりブルーチーズの醍醐味に

酔いしれてしまった、以来テーブルに並んでいると やった～～！と

思ってしまう自分がいるようで・・・

6.pan_ti-zu2.jpg

ローゲンブロート/Roggenbrot とブルーチーズの組み合わせ、青カビが多いほど強烈だ

日本でも時々ドイツパンとブルーチーズをスーパーで見かけることがある

パンに至っては根本的に数が少なく、最終的にお安くなるようで・・・

ブルーチーズにしても大抵は賞味期間ぎりぎりで半額とかになっていて・・・

それはそれで有りがたいことなのだが・・・

どうして日本で売っている物はこうも高いのだろう !

ヨーロッパでは、ものの100円も出せば一回では食べきれない程のチーズが買えるのに

　　　　　　　　　　　　　　　　　　****　以下続く　****　2004・2・4　記